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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第20章 絡める罠-滑走-
美紀はまだ風呂らしく、部屋から出て来ない…
こちらはシャワーだけだったので手早く終わり、何時もの如く頭にタオルを掛けながら、報告を聞く為に執務室へ……
「もう宜しいのですか?」
執務室には既にスーツ姿に戻した遠藤の姿。
「私はね…
美紀はまだ風呂だと思うよ、かなり冷えたと思うからね」
話しながら椅子に座り、机に置かれた3台のカメラを見る。
「カメラアングルはあの男がやっています…
美紀様もカメラを意識してくれたようで、上手く吉田春夫だけを撮る事には成功、遠目‥テレビに設置していたカメラの分は不要かと……」
「ふむ……」
カメラからメモリーを抜き取り端末へ…
動画を開けば、入り口から始まる2人のやり取り。
「・・・・・
やはり‥予想通り…
一番危険が無く、尚かつ吉田春夫が思い通り動く方を選んだ」
「・・・
私もそう思います」
吉田春夫に媚びる美紀の姿…
本当は嫌でたまらなかっただろうに……
だが、美紀のやり方は的を得ている、わざわざ遠藤が言ったポジョニング‥死角になる場所を使い、吉田春夫1人だけを映すように仕向け、カメラアングルもあるが、2台のカメラには美紀はほぼ映っていない。
「参ったね…
カメラ割りまで考え行動していたとは……
私達より美紀の方が一枚上手だったようだ」
「全くです…
序盤で、効果的な動画と音声が拾えましたので、本格的に危なくなる前に止めました」
確かに、吉田春夫が美紀に挿入する手間で、仕掛けを発動させている…
遠藤としても見ていられなかったのだろう、そういう私もどこか安心しているが。
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