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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第21章 表舞台-晴の日-
7万人…
それ全員分って50円にして350万って事……
「・・・
ちょっとこれ見て欲しいんだけど・・・」
「ん??」
紀永は手を止めて、ぁたしの元に……
「収支報告書だけど此処…
50×1…
でも経理課の報告は……」
「・・・
50×7万……」
「確かに1件だよね、1人に対しては…
でも、給与明細にそんなのは無かった」
「もう少し詳しく分かるかい?」
「うん……
これが今日の分‥そして……」
素早く過去分の表示に……
「これがその前…
1年に1~2回、切手購入って事で上がってる、あくまでも1件として……
普通1件だと雑費扱いだよ、ただ誰が計上してるのかまでは分からない」
「いや、十分だよ此処まで分かれば…
後は社内調査で引っ掛かる」
「ホント?」
「ああ‥お手柄だ…
美紀に頼んで正解だったようだね」
それから…
紀永が内部調査を手配して、横領してる人物が発覚…
社内でちょっとした騒動にまで発展した。
ぁたし自身は、此処から見てるしか無かったケド・・・
「んー!
月明け!!」
「ご苦労さま…
美紀のお陰で不正も発覚し、良い月明けになったよ」
まさか‥あんな小さな数字から、あそこまで見付けるとは‥美紀の能力と感の高さは本物…
私や遠藤でさえ見付けられなかったのだから。
「本当に埋め合わせをしないとね、なにか欲しい物とか、して欲しい事は無いかい?」
「無いよ?
今で十分だもん」
「意外に欲が無いね」
「だって‥紀永と一緒に居て、此処に住んでいて他に欲しい物なんて無い、今で幸せだから」
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