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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第22章 終焉の時



「何時か桜に、ホントの事話せたら良いな」


桜だったら、きっと分かってくれる…
大切な親友に、もう嘘を突き通したくない、それが出来る日は何時になるのか……



 "コトン…"



カップを置いて立ち上がり、リビングの大きな窓の側に座る。


屋敷内どの部屋も窓が大きめに作られていて、何処から見ても見晴らしは良い。


特に3階は、正面から庭に面している為、今が冬じゃ無かったら緑でいっぱいだと思う。



「あ し た 」


窓から外を眺めながら、考えるのはやっぱり明日の事ばかり。


あんな演技擬きまでやったのに、ぁたしは何故明日の事でこんなに緊張するんだろう??


ぁたしの心が少し分からない‥何故??





「・・・此処に居たんだね」

「うん‥少し外見てた」


仕事が終わったらしく、紀永もリビングに入って来た。



「何か見えるかい?」

「なんとなく‥だよ…
何か見たいものがあるワケじゃ無いから」

「・・そうか……」


紀永がソファーに座ったので、ぁたしも場所を変えてソファーに‥紀永の隣に座った。



「・・気になるかい?
・・・明日の事……」

「・・・
気にならないって言ったら嘘になるもん」

「そうだね……」


寄り添っているだけでも安心する紀永の温もり、これだけでざわつく心が少し落ち着く‥ホントぁたしも単純だわ。



「ねえ‥明日のスピーチ何話すの??」

「それか…
実は‥まだ考えて無い」

「へっ!?」


驚くぁたしと、渋い顔の紀永…
考えて無いって明日だよ!?



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