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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第22章 終焉の時
「何故!
早乙女会長が、たかが得体の知れない小娘に、そこまで肩入れする!?」
「・・・そんな事か・・・」
焦る吉田春夫の言葉‥これを待っていた。
ゆっくりと、さも威圧的に相手に近付く…
これもビジネスの上での効果的な方法、相手の上を行くやり方。
目の前まで近付き、少し屈み耳元で一番衝撃的な言葉を言ってやる。
「・・父親が大切な娘を助けて、何が悪いのかね?
言っただろう?
独り善がりも今の内だ、必ず後悔させてやるから待ってるがいい‥と……」
見る見る青ざめる吉田春夫の顔……
そして‥崩れ落ちるように座り込んでしまった。
衝撃だろう…
早乙女紀永の娘に手を出した、この事実は。
「これで済むとは思っていないだろう?
何処までも追い掛けて、君が立ち上がれなくなるまで潰す‥覚悟する事だ」
これで二度と吉田春夫は逆らえないし、美紀に手も出せない…
最も効果的に落とす‥私の一番得意とする戦法。
証拠も全て削除し、これで全てが上手くいった。
9分間……
吉田春夫が動画を見て動揺している内に、畳み掛ける…
計画通りに9分間以内で、この男を地の底まで落としてやった。
美紀の憂いも、これで晴れるだろう‥そして私も………
「・・美紀っ!!!」
???
物影から生徒?
確かこの子は………
「・・・桜・・・」
「美紀!大丈夫!?」
「うん‥大丈夫………だから………」
あの子に抱き付いて、泣いて……
私達は退散した方が良いだろう…
「・・・遠藤……」
「はい・・・」
一瞬だけ、こちらを向いた美紀に少しだけ笑い、私と遠藤は、落ちた男を捨て置き、校舎裏を後にした。
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