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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第22章 終焉の時
早乙女会長‥うんん、紀永が彼奴に近付き、耳元で何かひとこと……
ぁたしは聞こえなかったケド、相手は本気で顔を青ざめて、崩れるように地面に座り込んでしまった。
多分‥紀永のトドメの一撃…
彼奴に取ったら死刑宣告。
崩れ落ちた彼奴に向かって、紀永は更に追い討ち…
ああ言われたら、彼奴はもう手も足も出ない、ぁたしに近付く事も……
紀永が彼奴の耳元で何を言ったのか、薄々は気付いてる…
でも、此処で言う事でも無い、ぁたしはまだ倉原美紀だから。
「・・美紀ぃ!!!」
えっ!?
桜の‥声???
近付くに居たんだ桜…
一目散に駆けて来る桜を見て、ああ終わったって安心感が出て来て………
「・・・桜・・・」
「美紀!大丈夫!?」
「うん‥大丈夫………だから………」
思わず桜に抱き付いて、涙が出て来る‥ホントに終わったんだって………
ふと顔を上げたら、紀永がこっちを見て笑い、そして遠藤さんと一緒に、校舎裏から去って行った。
紀永なりの"良かったね"っていうサイン…
早乙女会長として来てるから、それしか出来ない紀永の……
余計に涙が出て来るよ。
「美紀?美紀??」
「ん……
桜ぁ‥ぁたしぁたし……」
なんて言ったら良いか分からない…
ただもう涙が止まらなくて、ずっと桜に抱き付いて泣いてるだけ。
「なんか‥ツラい事あったの??」
「・・・うん・・・」
「・・そっか・・」
とりあえず、教室まで戻ろうって言う桜の言葉に頷いて、ぁたし達も校舎裏を後にする。
崩れた彼奴だけを残して………
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