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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第23章 平和な時間の訪れ
「・・でも良かったのですか?」
「えっ??」
「倉原姓のまま…
会長から、早乙女姓へとお話があった筈」
「あ‥うん、あった…」
彼奴との問題も解決した事だし、正式に早乙女姓の方に移さないかって……
でもぁたしは1年待って欲しいって、紀永に答えた…
せめて夜学を卒業するまでは、倉原姓のままで居たい、みんなが混乱するし、そういう目で見られるのは、もうイヤだったから。
紀永は、それには承諾してくれた…
ただ勉強とかあるから、殆ど早乙女邸暮らしだけど……
何度かは倉原の方に帰ってる、少しずつだけど話せるようにもなった…
でも、開いた3年間の溝を埋めるには、まだまだ時間が掛かるみたい。
それも踏まえて倉原姓のまま、ちゃんと精算出来てから、早乙女姓にすれば良い。
「急に早乙女姓になってもね…
ぁたし自身が混乱すると思う」
「・・そうですか……
会長としては、早くご自分の娘として紹介したいと思われている筈です」
「だから急には……」
やっぱり避けては通れなかったお嬢様教育…
倉原の方の子供の頃からの習い事という機転のお陰か、そこまでは苦労はしていないケド………
一番の問題は、ぁたしのこの話し方…
1年近くで、すっかり崩れたものだから、元に直すのが大変……馴れってホント怖いわ。
一応屋敷内では気を付けるようにはしてる、でも完全に直すには時間が掛かりそう‥プライベートは相変わらずこのままだけど。
「・・何時かはちゃんと早乙女姓にするよ…
紀永もそう望んでるし、もう少しだけ時間が欲しいだけだから」
「時間が解決してくれる事もありますからね」
「うん、ぁたしもそう思う」
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