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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第8章 男の葛藤
どうも、元々が童顔なのか、ただの若作りなのか、こういう格好をすると、実年齢より若く見られるらしい。
会長職では良いのか悪いのか……
その為の、髪を上げスーツ姿なのだが、やはり若く見られるのは致し方ない‥らしい。
「いい加減おじさんなんだけどね」
34‥世間では、おじさんと言われる年齢だと言う事は重々承知、ただアトリエで二十代と間違えられて少々困ったが……
そう考えて見れば、あの頃の美紀は、私を幾つだと思っていたのだろうか??
何となく、はっきりと年齢を言うのを避けていたが、やはり勘違いされていたのだろう。
でなければ、おじさんに女子高生が付く訳が無い。
「考えると、少々傷付くが……」
独り言を言って、自分で笑ってしまう。
何故か思い出すのは、あの頃の思い出ばかり…
幸せ過ぎたせいなのか?
もう、届かない幸せだからか??
「ふぅ……」
バスタオルを放り投げ、徐にTシャツを着る。
こう、屋敷に籠もってばかりいるから、考えが堂々巡りなのだろう。
かと言って表に出る気も無いが。
"コンコン"
「会長、宜しいでしょうか?」
「ああ・・・」
ガチャっと扉が開く音がして、遠藤が入って来る。
今日はまだ仕事の残りはあっただろうか?
「お寛いの最中に申し訳ありません…
美紀様の事、調査報告が上がって来ました」
「美紀の?」
そういう理由か…
遠藤は、私のプライベート時間はあまり干渉して来ないが、美紀の話になると別。
まあ私も、何か分かったら最優先と言ってあるが……
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