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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第8章 男の葛藤

「前の分の報告と合わせ、辻褄が合っていると思いませんか?」
「・・・
夜遊びもせず、学校にもあまり行ってはいなく、急に肌を隠すような服装……
そして急激に痩せた……」
「はい、それが全て吉田春夫絡みだと関連付けましたら、美紀様の変わりようも納得のいくものかと……」
ラブホから出て来たところを見れば、間違いなく吉田春夫は美紀と関係があるのだろう。
しかも、書類にもあったように吉田春夫は暴力を振るうようだ。
そう考えれば、美紀が急に肌を隠す服装になったのも納得がいく、痣を隠す為……
学校にも行かず、夜の街にも行かず、これも痣を見られたく無い為………
遠藤の話の通り、全ての辻褄がが会う。
だが1つ………
「何故、美紀が脅されたか………」
「それに関しては…
外見の報告だけで、確信的な部分は、上手く吉田春夫に隠蔽されているものと思われます」
「普通、切り札を簡単に見せると思うかね?」
「いいえ・・・」
「脅しのネタが何か分からなければ、こちらも動きようが無い‥悔しいが………」
本音は、すぐさま吉田春夫を捕まえて殴り付けたいが……
根本的な事が分からない以上、余計なテコ入れは、用心深いと言う吉田春夫を更に警戒させてしまう。
腹立たしさいっぱいだが、此処は理論的に攻めていかないと、美紀の身も危うくなる。
人に簡単に暴力を振るえる輩は、切羽詰まると何を仕出かすか予想が付かない…
だが、なるべく早く美紀を助け出さないと、美紀の方が保たない。
痩せた身体が、それを物語っている。

