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OLオクサマのふぇろもん
第4章 Scene.04
…そう言えば…
手にしているスマホの存在に気付くと、さり気なく座席に深く座り直した。
明らかに、スマホを弄ってますよーの体で、スマホを顔の前へと移動させる。
素早く指を滑らせれば、コソッとカメラを起動させた。
…盗撮はダメだからな…
…あくまで…カメラの調子を見るだけで…
誰に言って聞かせる訳も無い言い訳を心の中でしながら、レンズの位置を女に合わせるようにスマホを移動。
「…あれ…」
画面は真っ暗だった。
確かに起動している筈のカメラ。
しかし、映っているのは真っ暗な画面。
…まさかホントに壊れたのか…
平静を装いながら焦りまくった。
何度も再起動しても結果は変わらない。
「ちっ……どうなってんだよ………」
思わず口に出した時、はたと気付いた。
スマホケースは手帳型。
折り曲げた黒い手帳型のケースでレンズを塞いでいるだけだった。