この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
OLオクサマのふぇろもん
第1章 Scene.01
暗くなりかけた外へと出れば、家と家の間を通る路地。
両脇は一メートル程の高さに積み上げられたブロック塀。
幅も狭く、通りまで十数メートルの細い路地を利用するのはウチの住人か配達の人たちだけ。
敷き詰められた砂利を、音が鳴らないようにと踏みながら進む。
左手に見える家から溢れる灯り。
ゆっくりと静かに進むだけで鼓動が速まる。
閑静な住宅街にあって、僅かな物音さえも耳に飛び込んでくる。
遠くから聞こえる、小さな子どもたちの帰宅を急ぐ声。
流れる水の音。
一歩進む毎に、膝を折り曲げる。
自ずと頭の位置はブロック塀よりも低くなっていく。
左の家から灯りが洩れる窓の傍へと近付く度に、流れる水音は鮮明に聞こえてくる。
鼓動が更に速まる。
完全に塀の下に頭を隠し、灯りが洩れる窓の傍へと到達した。