この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 Fly me to the Moon
光は想像以上の速さで馬を駆けてゆく。
…女性でこのように早駆けされる方は初めてだ。
月城は乗馬は北白川伯爵と従者の狭霧に郊外にある北白川家の馬場でみっちり仕込まれていた。
「梨央様が乗馬をされるようになられたら、お守りするのは執事の役目だからね」
狭霧は艶めいた瞳で笑いかけながらも、容赦ない厳しさで月城をしごきあげたものだ。
落馬するたびに手を差し伸べて助け起こしてくれたが、
「さあ、もう一度」
と涼しげに微笑まれた。

月城は縣の所有する貴重なサラブレッドに、的確に鞭をくれながら、光を追いかけた。
鬱蒼と木が茂る林を抜け小高い丘を登り、ようやく光に追いつく。
光の馬と並んで走りながら
「光様、あまり飛ばされると危のうございます」
声をかける。
光は断髪の美しい髪を風になびかせながら、ちらりと月城を見やり
「…やるじゃない」
美しい唇の端に笑みを浮かべる。
「光様、手綱をお緩めください」
「平気よ。心配性の執事ね」
…と、その時、馬がでこぼことうねる木の根に躓き、前足を高く掲げ嘶いた。
あっと言う間もなく、光の身体が宙を舞う。
「光様!」
月城は反射的に宙に投げ出された光に身を投げ、空中で受け止め、光を抱きしめたまま地面に叩きつけられた。
柔らかい下草が月城を受け止め、光を抱いたまま緩やかな斜面を転がる。
地面に落ちても月城は光を大切に抱きしめたまま離さない。
その身体で光を守りきったのだ。
「…光様!大丈夫ですか?」
月城は腕の中の光に声をかける。
光は目を閉じていたが、ゆっくりと瞼を開き、月城を見つめた。
「…どこまでお人好しな執事なの?…あのまま放っておいたら、ライバルが1人減ったかも知れないのに…」
月城は思わず声を荒げる。
「何を仰るのですか!光様…」
…と、光の華奢な美しい手が伸び、月城の頭を抱き寄せ、強引に唇を重ねた。
「…な…!ひか…」
「だまって…」
光は睫毛が触れ合う距離で月城を見つめる。
猫のように光る妖しい眼差し…。
しかしその目は優しく、どこか物悲しく見え、月城は胸を突かれた。
「…キスして…月城…」
「…光様…」
「…私を梨央さんと思って…」

その瞬間、突然月城の身体の中に眠っていた獣性が目覚め、溢れ出した。
月城は光の白く形の良い顎を荒々しく掴むと紅く柔らかな花のような唇を奪い、花を散らすように思う様に口内を犯しはじめた。


/233ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ