この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第5章 Fly me to the Moon
…私の方こそ、梨央様が大人になられ、完全に私の手の届かないところに行かれてしまうことを恐れている…!
今ならまだこうして、梨央様を抱き締めることができるのに…!
「…このまま時間が止まってしまえばいいのに…」
月城の胸の中からそっと顔を上げた梨央の瞳に自分が映っている。
月城の中から、梨央への思いが溢れ出す。
「…私も…同じ思いです。…梨央様がこのまま大人にならないといいと…縣様のものにならないといいと願っています」
梨央の瞳が見開かれる。
「月城!」
「お許しください。もう二度とこのようなことは申しません。…満月の光に私達は魔法をかけられたのです。
梨央様をいつまでもこの腕に抱いていたい…梨央様を離したくない…」
「月城…梨央もよ、梨央もだわ…」
「…二人だけの秘密にしましょう。今夜のことは…明日からは、いつもの私達に戻るのです」
梨央は涙ぐみながら頷く。
「今夜だけは、梨央は月城のものよ。だから、ずっと抱いていて…」
月城は梨央の美しい髪を優しく撫でる。
「…ええ…。あの月が見える間は…」
梨央は月の光のもとに咲く月光花のように微笑んだ。
「…私を月まで連れて行って…。そうしたらずっと二人きりでいられるわ…」
「…梨央様…!」
愛しい人よ…!
この先、どれだけ沢山の出逢いがあったとしても、私は梨央様以上に人を愛することはできないだろう…!
梨央の清らかな額にそっと全ての愛を込めてくちづけする。
二人は手を取り合い、静かに月を見上げた。
一瞬のような、永遠のような夏の夜…。
…いつか、この夜のことを私は懐かしく思い返すのだろうか…。
私の生涯無二の愛しい方を、胸に抱きしめて美しい満月を眺めた夜のことを…。
溢れる愛の切なさを胸に抱いたこの夜のことを…。
今ならまだこうして、梨央様を抱き締めることができるのに…!
「…このまま時間が止まってしまえばいいのに…」
月城の胸の中からそっと顔を上げた梨央の瞳に自分が映っている。
月城の中から、梨央への思いが溢れ出す。
「…私も…同じ思いです。…梨央様がこのまま大人にならないといいと…縣様のものにならないといいと願っています」
梨央の瞳が見開かれる。
「月城!」
「お許しください。もう二度とこのようなことは申しません。…満月の光に私達は魔法をかけられたのです。
梨央様をいつまでもこの腕に抱いていたい…梨央様を離したくない…」
「月城…梨央もよ、梨央もだわ…」
「…二人だけの秘密にしましょう。今夜のことは…明日からは、いつもの私達に戻るのです」
梨央は涙ぐみながら頷く。
「今夜だけは、梨央は月城のものよ。だから、ずっと抱いていて…」
月城は梨央の美しい髪を優しく撫でる。
「…ええ…。あの月が見える間は…」
梨央は月の光のもとに咲く月光花のように微笑んだ。
「…私を月まで連れて行って…。そうしたらずっと二人きりでいられるわ…」
「…梨央様…!」
愛しい人よ…!
この先、どれだけ沢山の出逢いがあったとしても、私は梨央様以上に人を愛することはできないだろう…!
梨央の清らかな額にそっと全ての愛を込めてくちづけする。
二人は手を取り合い、静かに月を見上げた。
一瞬のような、永遠のような夏の夜…。
…いつか、この夜のことを私は懐かしく思い返すのだろうか…。
私の生涯無二の愛しい方を、胸に抱きしめて美しい満月を眺めた夜のことを…。
溢れる愛の切なさを胸に抱いたこの夜のことを…。