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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第3章 月光庭園
ランプも点けられていない暗闇の中、僅かな月明かりのみに照らされた梨央が広い寝台の中に縮こまり、泣きじゃくっていた。
「梨央様!」
梨央は月城の声を聞いた途端、ぱっと声がする方に振り向いた。
「月城!月城なの⁈」
月城は梨央の元に駆け寄る。
「はい!私です。申し訳ありません。梨央様に心細い思いをさせてしまって…」
梨央が小さな手を差し伸べて月城に抱きつく。
「月城!暗くて怖いの!お父様はもういないし…月城は来てくれないし…梨央は一人ぼっち…!怖い!怖い!暗くて怖い…!」
月城は梨央の小さなか細い身体をぎゅっと抱きしめる。
梨央の言葉が胸に突き刺さる。
…僕は…僕は何をしていたんだ!
下らない感傷でくよくよしている間に、梨央様は毎晩暗がりで恐怖と戦っておられたというのに!
自分の不甲斐なさに唇を噛みしめる。
そして梨央を強く強く抱きしめる。
梨央は堰を切ったように泣きじゃくりながら、月城の胸を小さな拳で叩く。
「ばかばか!月城のばか!梨央は…梨央は…ずっとずっと寂しかったのに!月城が来てくれなくて…毎晩…毎晩…寂しかったのに…!」
「すみません…梨央様!…月城は…本当に愚かです…梨央様に相応しい執事になれる自信がなくて…梨央様と接するのが辛かったのです。…そんなことで、梨央様にこんなにも寂しい思いをさせてしまった…許してください…」
梨央は涙で濡れた瞳で月城をじっと見つめる。
「…月城…もう、梨央を一人にしない?」
「はい。もう二度と梨央様をお一人にしません。梨央様のお側を離れません」
「絶対よ?絶対…一人にしないでね…?」
「はい。お約束いたします。梨央様は私の命より大切な唯一のご主人様ですから」
月城は梨央に微笑みかける。
ほっとしたのか、梨央は再び泣きじゃくる。
「…月城…お父様がいないの…お父様に会いたい…お父様…」
震えながら泣きじゃくる梨央が愛おしい。
月城は白いネグリジェ姿の梨央を優しく抱きしめ、背中を摩る。
しばらく落ち着くまでそうしていて、やがてそっと語りかける。
「…梨央様。…では、旦那様にお会いしにまいりましょうか…?」
「…え?お父様にお会いできるの?」
梨央は綺麗な瞳を見開いて月城を見つめる。
「はい。…さあ、ご一緒にまいりましょう」
月城は梨央を抱きしめたまま、立ち上がった。
「梨央様!」
梨央は月城の声を聞いた途端、ぱっと声がする方に振り向いた。
「月城!月城なの⁈」
月城は梨央の元に駆け寄る。
「はい!私です。申し訳ありません。梨央様に心細い思いをさせてしまって…」
梨央が小さな手を差し伸べて月城に抱きつく。
「月城!暗くて怖いの!お父様はもういないし…月城は来てくれないし…梨央は一人ぼっち…!怖い!怖い!暗くて怖い…!」
月城は梨央の小さなか細い身体をぎゅっと抱きしめる。
梨央の言葉が胸に突き刺さる。
…僕は…僕は何をしていたんだ!
下らない感傷でくよくよしている間に、梨央様は毎晩暗がりで恐怖と戦っておられたというのに!
自分の不甲斐なさに唇を噛みしめる。
そして梨央を強く強く抱きしめる。
梨央は堰を切ったように泣きじゃくりながら、月城の胸を小さな拳で叩く。
「ばかばか!月城のばか!梨央は…梨央は…ずっとずっと寂しかったのに!月城が来てくれなくて…毎晩…毎晩…寂しかったのに…!」
「すみません…梨央様!…月城は…本当に愚かです…梨央様に相応しい執事になれる自信がなくて…梨央様と接するのが辛かったのです。…そんなことで、梨央様にこんなにも寂しい思いをさせてしまった…許してください…」
梨央は涙で濡れた瞳で月城をじっと見つめる。
「…月城…もう、梨央を一人にしない?」
「はい。もう二度と梨央様をお一人にしません。梨央様のお側を離れません」
「絶対よ?絶対…一人にしないでね…?」
「はい。お約束いたします。梨央様は私の命より大切な唯一のご主人様ですから」
月城は梨央に微笑みかける。
ほっとしたのか、梨央は再び泣きじゃくる。
「…月城…お父様がいないの…お父様に会いたい…お父様…」
震えながら泣きじゃくる梨央が愛おしい。
月城は白いネグリジェ姿の梨央を優しく抱きしめ、背中を摩る。
しばらく落ち着くまでそうしていて、やがてそっと語りかける。
「…梨央様。…では、旦那様にお会いしにまいりましょうか…?」
「…え?お父様にお会いできるの?」
梨央は綺麗な瞳を見開いて月城を見つめる。
「はい。…さあ、ご一緒にまいりましょう」
月城は梨央を抱きしめたまま、立ち上がった。