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月の川 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第3章 月光庭園
その夜遅く…。月城は梨央の様子が気になり、大学の予習も手につかなかった。
…あんなに旦那様とのお別れを嘆いていらした梨央様…。
ちゃんとお寝みになれたかな…。
…最近は僕が寝かしつけることもなくなってしまったからどうなさっているのか…。
気にし出すともういてもたってもいられず、月城はシャツの上に上着だけ羽織り、階上に繋がる階段を登り始めた。

階上の扉を開けると、壁のランプが重厚な玄関ホールを照らしている。
…と、大階段の上から小さな、しかし明らかに啜り泣く声が聞こえた。
月城ははっとして耳を澄ませる。
鳴き声ははっきり聞こえた。
…梨央様だ!梨央様が泣いておられる!
月城は、大階段へ駆け上がろうと足を踏み出す。
…と、手摺に置いた手を掴まれる。

振り返ると、橘が厳しい顔で月城を見据えていた。
「橘さん…」
「…旦那様が行かれた夜は梨央様は必ずお泣きになられる。…しかし、これは梨央様が乗り越えられなくてはならない壁なのだ。甘やかすだけが愛ではない」
「…しかし…」
「梨央様は何れ北白川伯爵家の当主となられるお方。貴族のご子弟はお小さい頃から自立していただかなくてはならない」
月城は拳を握りしめる。
「…そうかも知れません…しかし僕は今泣いている梨央様を放っておくことは出来ません!」
月城は橘の手を振りほどく。
大階段を駆け上がる月城の背中に橘の鋭い声が飛ぶ。
「月城!待ちなさい!」
月城は振り返り、毅然と言い放つ。
「私のこの行為が出すぎたことでしたら、クビにしていただいて構いません!…失礼します」
…クビになろうと構わない。
今、梨央様のお側に行かなくては、僕は一生後悔する!

月城は、大階段を一気に駆け上がり梨央の部屋の扉を開け中に飛び込んだ。
「梨央様!大丈夫ですか⁈」
月城は叫び、梨央を探す。

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