この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
背徳のディスタンス
第2章 教育担当
「……ほーんと、出来た子だねー日野崎くん。真面目だし仕事の覚えもいいし、おまけに愛想も顔もいいし。あんな子が担当になったらやばいわあたし」
「やばい?」
「……食べちゃう」
にんまりと歯を見せて言う穂波に、奈々は思わず緑茶を噴きそうになった。
「はあ?」
「嘘だってっ」
「もう、言動がチャラい」
呆れたように肩をすくめ、わざとらしくため息をついてみせた。
そういえば、『やばい』と『食べちゃう』は最近の穂波の口癖だった。
穂波は奈々とは真逆の外見と性格をしている。派手好きで、服装も華やかなものが多い。コールセンターは電話対応が主な仕事なので、身だしなみに関しての縛りは緩い。髪色や化粧、アクセサリーやマニキュアなどは自由だし、一応スーツでという規則になっているけれど、色などはなんでも構わない。穂波は蜂蜜色のショートボブに化粧も濃く、スーツの色は薄いピンクや白に近い色を好む。
ダークブラウンのロングヘアにナチュラルな化粧、スーツもグレーや紺中心の奈々とは対照的だった。
性格も真逆である。