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背徳のディスタンス
第1章 プロローグ
(ーーよし、誰もいないよね……?)
定時後、一時間の残業で、ほとんどの社員は帰っていく。長時間の残業は、基本的には禁止されていた。
堀内奈々(ほりうちなな)はコールセンターの隣の談話室にこっそりと忍び込んだ。室内は静まり返っていて、薄暗い。陽が沈み始める時間帯なのだから仕方がない。
そして、そこから隣を覗き見る。設置された電話機とパソコンは五十台ほど。営業中の時間帯であれば、ほぼ全てが稼働している状況だ。今は数人、パソコンの前で雑務をこなしているだけ。
六時が営業終了の時間だ。今は七時過ぎ、九割社員は帰った。
(今だったら……)
奈々は談話室の端に置いてあるテーブルの横に腰を下ろした。すでに体は、反応しはじめていた。
わざわざコールセンターを抜け出し、廊下側からこの談話室に忍び込む。そして、人が数人残っているのを確認し、自慰にふける。こんなことを、もうどれくらい続けてきたのか。
「……あっ」
着用しているのは、グレーのスーツ。奈々はスカートをめくりあげ、下着越しに秘部へと触れた。