この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
背徳のディスタンス
第3章 社内プレイ
「おはようございます。堀内先輩」
朝、出勤して自分のディスクについて間もなく、望の声が隣から降ってきた。同時に鞄をディスクに下ろす音も聴こえ、奈々の体が強(こわ)ばる。
硬い表情のまま横目で睨むと、望は見慣れた柔らかな笑みで軽く首をかしげて見せた。
「どうしました? 先輩、目がちょっと怖いですよ?」
「何を白々しく……っ」
つい声を荒げてしまいそうになった。
昨夜、奈々のオナニー現場を目撃し写メまで撮った張本人が何を言うか。写メをネットや社内の人間にばらまかれたらと不安が募り、奈々はほとんど眠れなかった。
「ここでいいんですか? そんな話しちゃって。……ばらされたい?」
「……っ」
最後の言葉は奈々の耳元で、まるで内緒話でもするかのように囁いてきた。何も言い返すことができず、唇を噛むことしかできない奈々。
「今日も定時後するんでしょう? 俺にもお手伝いさせてくれますよね?」
「も、もうしない……っ」
慌てて首を振る奈々。
「なんでです? また聴かせてくださいよ、先輩のいやらしい声……」
太ももをすっと撫でられる。タイツ越しではあるけれど、体がぞわりと震えた。