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背徳のディスタンス
第5章 淫らな遊び
一礼し、立ち上がろうとした刹那。振動がまた強くなった。
抉るような強烈な快感が、全身を貫く。
「はぅ……」
耐え切れず、熱い吐息を洩らしてしまったまさにそのタイミングだった。
「自分が送ります」
喘ぎ声を隠すように隣で望も声をあげ、立ち上がった。
奈々を支えるように、背に腕をまわしてくる。
人のいい笑み。奈々は心のうちで叫んだ。
(信じらんない……っ)
自分で仕込んでおいて。
けれども望に甘える他なかった。火照った体は弛緩して、力が入らない。
周りから見ても、よほど体調が悪く見えたのだろう。幾つもの視線を感じていた。もちろん心配して様子を気にする者がほとんどだったが、中には奈々の普段とは違うどこか艶っぽい様子に欲情する者もいた。
そんな中、部長が小さなため息と共に望に言う。
「そうだな、新人の日野崎一人ここに残ってても、会議の内容にピンと来ないだろう。堀内の面倒を見てやってくれ。なんなら家まで送ってやれ」
なんてことを。奈々は青ざめた顔になる。
「はい! 任せてください!」
「ちょ……っ」
反論しようとした時には体ごと向きを変えられ、望に連れられるようにして歩き出していた。
「今日は……すみません。お先に失礼します……」
それだけ口にし頭を下げ、奈々はおぼつかない足取りで会議室を出た。もちろん、望と共に。
抉るような強烈な快感が、全身を貫く。
「はぅ……」
耐え切れず、熱い吐息を洩らしてしまったまさにそのタイミングだった。
「自分が送ります」
喘ぎ声を隠すように隣で望も声をあげ、立ち上がった。
奈々を支えるように、背に腕をまわしてくる。
人のいい笑み。奈々は心のうちで叫んだ。
(信じらんない……っ)
自分で仕込んでおいて。
けれども望に甘える他なかった。火照った体は弛緩して、力が入らない。
周りから見ても、よほど体調が悪く見えたのだろう。幾つもの視線を感じていた。もちろん心配して様子を気にする者がほとんどだったが、中には奈々の普段とは違うどこか艶っぽい様子に欲情する者もいた。
そんな中、部長が小さなため息と共に望に言う。
「そうだな、新人の日野崎一人ここに残ってても、会議の内容にピンと来ないだろう。堀内の面倒を見てやってくれ。なんなら家まで送ってやれ」
なんてことを。奈々は青ざめた顔になる。
「はい! 任せてください!」
「ちょ……っ」
反論しようとした時には体ごと向きを変えられ、望に連れられるようにして歩き出していた。
「今日は……すみません。お先に失礼します……」
それだけ口にし頭を下げ、奈々はおぼつかない足取りで会議室を出た。もちろん、望と共に。