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背徳のディスタンス
第5章 淫らな遊び
「どうしてこんな酷いことするの……っ?」
望は先ほどの小会議室まで奈々を連れていった。その頃には振動は止められていた。中に入るやいなや、壁に体を預けて奈々は叫んでいた。
怒りもあったけれど、誰の前でも素直で真面目だった望が仕事に支障が出るほどのことを奈々に仕掛けてきたのが一番のショックだった。
「あなたがそんな子だとは思わなかった」
ぽろりと口から漏れたそれは本心だったが、冷たく突き放すようなニュアンスになってしまった。
「俺だって、堀内先輩がそんな人だったなんて思わなかったですよ? 毎日こそこそ社内でオナニーしてたくせに」
「それは……」
「その下着だって、どういうものか知ってて自分でつけてきたんでしょう? 本当に俺に弱味を握られてるからですか? してみたいって下心はなかったんです?」
「…………」
奈々は黙るしかなかった。下心は確かにあったからだ。
「電話対応してる時は、振動させなかったでしょ? 一応配慮したつもりなんですけどね。ーーなのに下着をめっちゃ濡らしてた先輩は、ずいぶん淫乱ですよね?」