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いとおしい青
第1章 ピンクの指先
「由貴 早く来いよ!」

キノコ頭は よっちゃんのトレードマーク。
2人で走って
長靴でザクザク雪が埋もれていくのが楽しかった。
曇り空の雲間から薄く光が挿す。
雪が積もって私とよっちゃんは はしゃいでた。

「由貴〜鼻水でてる~汚い~」

「うるさぁい!」

「雪だるま作ろーぜ!」

由貴は雪だるまの腕になる枝をもってきた。
「由貴の手袋穴開いてるよ。」
よっちゃんは自分の左手の手袋を外して
私につけてくれた。
「ありがと よっちゃん」
「替えっこな…」
私がつけてた青い手袋をよっちゃんは嵌めた。
「丁度俺のつけてた手袋 飽きてたんだよなー」
よっちゃんの手は、冷えて指先がピンク色になっていた。
よっちゃんは嘘が下手くそだ。
ほんとは手袋はお気に入りなのに。 

私の家の近くに住んでる 
よっちゃんは4才の男の子。
私より1つ下だった。

親同士も仲良かった。
よっちゃんの両親は飲食店を経営している。
土日も両親が忙しいため
よっちゃんはいつも弟と2人だった。
だから私の家でよくご飯食べていた。
よっちゃんの母さんが用意してくれてた
カルボナーラは美味しくて私の楽しみだった。

鬼ごっこしたら私は鬼になるのが嫌でよく拗ねてた。
よっちゃんが居たら
鬼をよくかわってもらえたから嬉しかった。
私がお姉さんなのにね。
よっちゃんがお兄ちゃんみたいだった。
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