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いとおしい青
第9章 受け取らなかった手袋
家に帰ると母が晩御飯の支度をしていた。
「母さん、よっちゃんの両親の店って今もあるのかな?」
由貴は母の横に立つ。
母は少し驚いた様子だった。
「さぁね?潰れたかもしれないわ。昔の事だし。」
何か聞きたそうだったが黙っていた。
「母さんはいつも
よっちゃんの事になると嫌そうに話してるね。
よっちゃんが嫌いなの?」
「そんな事ないわよ。
それより由貴、
今いい人いないの?結婚も視野にいれて…」
「ねぇ母さん、私よっちゃんの事まだ好きなの。」
またふられたっていいんだ。
待つのは私の自由だし。
よっちゃんの仕事が落ち着いたら会いにいこう。
(ずっと 待ってたのに)
ふと頭をよぎったのは
初めてよっちゃんと飲んだ日の夜に言われたあの言葉。
引っ越しの日のこと。
「そう。
よっちゃんじゃなくてもいい男は他にいるでしょ。
それよりもね、由貴に会いたいって行ってる人が居て
あなたさえよければ会ってみない?」
「嫌よ。会わない!
よっちゃんの代わりはいない。
他の人と結婚もしないわ!
ねぇ母さん何か知らない?
引っ越しの日 出発の時間ギリギリまで
よっちゃん待ってたって言ってた。
私も会えなくて後悔してるの!」
母さんは玉ねぎを切ってた手が止まった。
「…引っ越しの日 母さんと由貴で公園で遊んでたよね?
途中、よっちゃんがこっちに走ってくるのが見えたわ。
由貴の手袋持ってきてたの。
でも母さん受け取らなかったわ。
由貴に会わせたくなくて
わざと由貴に先に家に帰ってもらったの。」
「よっちゃんには何て言ったの?」
「由貴は、もうよっちゃんと遊びたくないって伝えた。」
「ひどいっ‼
どれだけその言葉によっちゃんが傷ついたかわかってる?
大人になった今でも引きずってるよ!」
「ごめんなさい…」
静まりかえった台所で 母は謝った。
「母さん、よっちゃんの両親の店って今もあるのかな?」
由貴は母の横に立つ。
母は少し驚いた様子だった。
「さぁね?潰れたかもしれないわ。昔の事だし。」
何か聞きたそうだったが黙っていた。
「母さんはいつも
よっちゃんの事になると嫌そうに話してるね。
よっちゃんが嫌いなの?」
「そんな事ないわよ。
それより由貴、
今いい人いないの?結婚も視野にいれて…」
「ねぇ母さん、私よっちゃんの事まだ好きなの。」
またふられたっていいんだ。
待つのは私の自由だし。
よっちゃんの仕事が落ち着いたら会いにいこう。
(ずっと 待ってたのに)
ふと頭をよぎったのは
初めてよっちゃんと飲んだ日の夜に言われたあの言葉。
引っ越しの日のこと。
「そう。
よっちゃんじゃなくてもいい男は他にいるでしょ。
それよりもね、由貴に会いたいって行ってる人が居て
あなたさえよければ会ってみない?」
「嫌よ。会わない!
よっちゃんの代わりはいない。
他の人と結婚もしないわ!
ねぇ母さん何か知らない?
引っ越しの日 出発の時間ギリギリまで
よっちゃん待ってたって言ってた。
私も会えなくて後悔してるの!」
母さんは玉ねぎを切ってた手が止まった。
「…引っ越しの日 母さんと由貴で公園で遊んでたよね?
途中、よっちゃんがこっちに走ってくるのが見えたわ。
由貴の手袋持ってきてたの。
でも母さん受け取らなかったわ。
由貴に会わせたくなくて
わざと由貴に先に家に帰ってもらったの。」
「よっちゃんには何て言ったの?」
「由貴は、もうよっちゃんと遊びたくないって伝えた。」
「ひどいっ‼
どれだけその言葉によっちゃんが傷ついたかわかってる?
大人になった今でも引きずってるよ!」
「ごめんなさい…」
静まりかえった台所で 母は謝った。