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いとおしい青
第2章 無愛想なキノコ
エレベーターの昼はいつも多くて
降りるのも大変!

1階になりドアが開く。
由貴は1番最後に出る筈だった。
降りようとすると男がダンボールを積んだ荷物で押され
エレベーター内に引き戻された。

「でさ…由貴はどうなの?って あれ?」
杏奈が振り向くとエレベーターが閉まるところだった。
男性2人と由貴が乗った様子だった。
「でかした由貴!まさかの松嶋さんと一緒だ!」

「坂上さんー待ってくださーい!何なの?あの女!」
「松嶋さん!
美味しい店があるんですー少しだけでもー」
ドアが閉まる瞬間 女性陣が数名置いていかれた。
松嶋さんと一緒に乗るなんて

静まりかえったエレベーター内。

「あの私降りたかったんですけど…」
由貴が言う。

「ごめんねー巻き込んでしまって」
松嶋が謝る。

これじゃ杏奈に後で質問攻めかも…

「由貴ちゃんっていうの?
かわいーねっ!よかったらコンパしない?」
由貴のネームプレートを見た松嶋が誘ってきた。
松嶋は
にっこり笑うとたれ目になり清潔感のある人だった。
一方ダンボールを積んで持っている男性は無愛想で
由貴に目を合わさなかった。
男は松嶋を止める。

「やめてくださいよ松嶋さん。
まためんどくさいファン増やさないで下さい」
「はーい坂上さんっ了解!」

昼休憩が大幅に減っていく…
時計みながら由貴はへこむ。

「由貴?」
声かけてきたのは松嶋さんの隣の男だった。

「誰ですか?どこで会いました?」
由貴は考える。
「やっぱりーそのとんがった口で昔よく拗ねてたよな。」
男は笑う。松嶋も笑う。

「…‼💢ってことは よっちゃん?あの頃のパッツンで可愛かったキノコ頭のよっちゃん?」

容姿の変わった
切れ長な目をしている。
お洒落な縁なし眼鏡をつけた男だった。

「キノコいうな❗あれは無理やりされてたの!」
義之は怒る。
「あーあ よっちゃんのせいで昼休憩なくなりそうだよ」
由貴はふて腐れている。
「悪かったな…面倒くさい女から逃げたかったんだ。
今度埋め合わせさせて。」
そういって私とよっちゃんは携帯の番号交換をした。








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