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いとおしい青
第17章 冷たい唇
「フンフン♫」

ここはオフィスビル
仕事帰りに
由貴は鼻歌でトイレに入って行った。

「なぁーにー?ここまで聞こえてますけど。
由貴、昨日いいことあった?」

「別に」

「激しいセックスでもした?」
ニヤリと笑う杏奈。

由貴はハンカチを口で咥えて手を洗っていた。

杏奈からの言葉に動揺してハンカチを落とす。

「冗談よっ!
私は子どもできてすっかりご無沙汰だからねー
じゃあね、私お迎えいかなきゃー。」
杏奈に2歳になる娘がいた
松嶋は溺愛している。

由貴は胸を撫で下ろす。

ビルを出ると雲行きが怪しくなってきて雨が降り出す。
冬の雨って冷たくて寒いからかなー。

ここは一気に駅まで走るべきか
どこか店で雨宿りするべきかっ…
由貴は悩んでいた。
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