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新月の闇 満月の光
第2章 貴方の暗闇~真紘の独白~

ある日、俺は柚芽にプロポーズする為に、彼女を電話で呼び出した。


夜景の綺麗に見える高台。


初めて結芽をデートに誘った思い出の場所。


俺達は、本当に仲が良くって、俺自身、結芽と亜依を間違える事なんて一度もなかった。


あの2人が隣同士並んでいても、俺は結芽を間違える事はなかったんだ。


そんな俺が、簡単なミスを犯した。


結芽の携帯に電話を掛ける。


彼女を呼び出す電話。


彼女の携帯に電話してるんだから、出たのは彼女。


そう思い込んだ。


それが、俺のミス。


電話口の明るい声に、俺は柚芽だと疑わなかった。


だが、電話口に出たのは…………。


亜依。


そして、そんな事も気付かずに待ち合わせ場所を指定して、ヤって来たのが亜依だった。




『どういう事だ、亜依? 』


『私を選んで貰うわよ。真紘。柚芽に幸せかが来るなんてもってのほか。あの子には、泣いて、泣いて、絶望して貰うの』




可笑しそうに、楽しそうに笑う亜依に背筋が寒くなる。




『何で!? 結芽はお前の妹だろ? 』


『ええ、そうよ。どうしようも出来ない位、妹よ。私は、柚芽が憎いのよ。憎い、憎い!! 真紘、私を選びなさい、私を選ばなきゃ、結芽を殺して、私も死んでやるわ。私が死んだら、結芽は男達の中で輪姦(まわ)されて、陵辱されて、闇の世界に売られるの。あぁ、可笑しい!! 貴方にあの子は守れないわ。ふふふふ、あはははは!!』


『亜依、お前っ! 』




亜依は狂ってる。


正気と狂気の狭間で。



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