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新月の闇 満月の光
第3章 貴方の暗闇~結芽の思い~

朝食を戴いて、後片付けを終わらせると、私はこの部屋の鍵を掛け、隣へと移動した。


この家は、お姉ちゃんと真紘さんの家。


私と真紘さんの家じゃない。


私の家は、その隣にあたる。


お姉ちゃんが居なくなってから、お姉ちゃんと真紘さんの家に私の部屋も出来たんだけど、私はこっちの部屋の方が居心地が良かった。


変に一部屋、一部屋をゆとりある家にしているせいで、このマンションは、角部屋がワンルームになっている、デザイナーズマンション。


家賃は、真紘さんが払っていて、お姉ちゃんと結婚した時に、私も引き取ってくれて一緒に暮らし始めた。


私は、隣のこのワンルームだけど。


本当はね、私、独りで居残ろうと思ってたの。


両親が残してくれた家に。


私の両親は、事故で亡くなってね。


その時、私とお姉ちゃんは、高校の修学旅行中で、難を逃れたの。


トラックの居眠り運転が、事故の原因で…………。


私とお姉ちゃん、二人きりになってしまって…………。


なのに、たった独りの肉親まで私は亡くしてしまって…………。




もう、真紘さんだけ……。




でもね、私、真紘さんの事は、義兄(おにい)さんって、呼びたくない。




だって、私、今でも真紘さんが好きなんですもの。





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