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新月の闇 満月の光
第4章 動き始める時間
「柚芽、どうした? 何か悩み事でも有るのか? 」
真紘さんの前だと言うのに、私は、ぼーっと考え事をしていた。
もしかしたら真紘さんは、お姉ちゃんから、何らかの事をされて、結婚させられたんじゃないか。
私の思考は、そこに行き着いた。
そんな、まさか…………。
いくら何でも、常識ある大人が、他人を巻き込んで其処までしないでしょう?
お姉ちゃんだって、大人なんだから。
それとも、私、其処まで嫌われてた?
結婚なんて独りでは出来ないんだから。
自分を犠牲に、結婚なんてする?
しないよね、普通。
あたしが真紘さんと仲良くなったから。
あたしが、真紘さんを好きになったから、お姉ちゃんは、真紘さんに近付いて……?
って事無いよね。
真紘さんが、お姉ちゃんを好きだったのなら、まだ救いはある。
けれど、そうでなかったら………。
真紘さんの人生は、お姉ちゃんの手で滅茶苦茶にされた事になる。
私に関わったばっかりに───。