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新月の闇 満月の光
第1章 貴方の暗闇

「考え事か? 結芽? 余裕だな」




そう言った男が、結芽と呼んだ女を抱え起こす。


抱えられれば、奥の奥まで男を受け入れた彼女。




「ん……はぁっ……あ////…あんっ………」




ゆるりと上下に揺さぶられてより一層快感に打ち振るえた。




「あぁっ、だめぇそんなにしちゃ………」




息も絶え絶え。


生理的な涙が瞳に溜まる。


けれど男は容赦がなかった。




「あっ、……イク……いっ」


「一度イッとけ、夜は長いから。壊れる程抱いてやる…………」


「あっ……いいっ…イ…ッ……くっ……」




意外と甘やかな男の声に、結芽は昔に思いを馳せた。




────初めて抱かれた頃のように優しい────




たまにある、男の優しさ。


毎夜、狂ったように結芽の胎内(なか)に精を吐き出し、朝には総てを忘れたように、優しい義兄(あに)に変貌する。


結芽の姉によって闇へと堕とされた男。


彼を思って、快感に打ち振るえて、結芽の目尻から一滴。




涙が頬を伝った。




「はぁぁぁん、気持ち良い…気持ち良いのぉ、……真紘っ…さ、あんっ……………」




結芽は、そう叫ぶと、真紘と呼んだ男の自分の中に埋まる息子をきゅうきゅうと締め付けて果ててしまった。


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