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新月の闇 満月の光
第5章 駆け引き
そして、私が次に聞いたのは、真紘さんの出張話。
よりによって、CM撮影の明日。
強烈な濡れ場有りのCMに、真紘さんが側に居ない。
私は、焦って、真紘さんが困るような発言をしてしまった。
「ねぇ、出張じたい断われなかったの……」
私はそう言って真紘さんを困らせる。
「ごめんな。柚芽」
すまなさそうに真紘さんが私の頬を撫でる。
私の初めてのCMなのに、真紘さんが側に居ないなんて…………。
社長は、どうかしてる。
「心細いよ……。真紘さん……」
私の言葉に、真紘さんがピクリと反応した。
私は、真紘さんをじっと見つめる。
真紘さんをジッと見つめていると、子宮の奥が、ジンっと痺れて身体が熱くなる。。
彼の澄んだグリーンの瞳が、情欲に煙って深い緑に変わる。
婉然と貴方が笑う。
美麗な男の醸し出す色香は、炎に近付き焼けてしまう蛾のように私を貴方に引き寄せた。
何処でスイッチが入るのか解らないけれど、あたしも、貴方に欲情していた。
独りの不安が、貴方を求める結果となっていたのかも知れない。
あんなにシたのに
真紘さんを求める情欲は、留まる所を知らなかった。
愛されてると解った瞬間、私に欲が芽生えてしまった…………。