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新月の闇 満月の光
第5章 駆け引き
高い場所から2人して舞い降りて、真紘さんの上に馬乗りになっていた私は、彼の上にとさりと突っ伏した。
ヌルリと抜け落ちそうになる彼を、真紘さんは脚を立てて、私はナカで彼を締め上げて、2人同時に阻止をして、
笑い合う。
「もう少し結芽の中に居たいんだけど…………良い? 」
真紘さんの言葉に私は当然頷いて、
「私も居て欲しいです…… 」
と、顔を赤らめつつ言葉にする。
ここ最近の彼は、私を苛めない。
記憶も有るみたい。
少しずつ良くなって来ているのか、私を私として抱いてくれる。
お姉ちゃんの身替わりにしなくなった。
『愛してる』
声にはしてくれなかったけれど、口パクで言ってくれて。
何時かは、プロポーズしてくれるのかな?
そう期待しても良いのかしら?
そう、思わずには居られない。
「ねぇ、真紘さん。『mahiro』は、真紘さんの事ですよね? 」
ピロートークにて、私は思い切って真紘さんに聞いてみた。
彼の瞳が細まり、愁いを帯びた表情に変わる。
其れだけで、確信に至ってしまう。
『mahiro』は、真紘さんなのだと。
「どうしてそう思う? 」
真紘さんの問い掛けに私は正直に答えた。