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新月の闇 満月の光
第6章 御劔家と如月家 (みつるぎけときさらぎけ)
沈黙。
紅茶のカップを置く音。
ただそれだけがやけに響いた時、キッチンの壁に設置しているインターホンがポロンと音を奏でた。
「ん? 」
顔を上げる俺に、
「きっと彩花ちゃんだわ。今の、門のセンサーが反応した音ね」
「そ、なんだ…………」
そんな会話をしていたら、玄関の方からけたたましい声が響いて来た。
「真紘~っ! 居るか~!! 大変だっ!! 」
バンっと言う音と共に、どやどやと入ってきたのは、案の定、姉さんだった。
「合坂に嗅ぎ付けられた!! 『Yume』との共演押し切られた! ! ごめん阻止出来なかった!! 」
ゼイゼイと息せききる姉に、俺は、問い掛けた。
だって、可笑しいじゃ無いか。
企画段階で、合い逆は弾かれた筈なんだ。
「何処から漏れた? たかだか宝石店のCMに……。社長、この話、他に知ってる人物は? 」
「私とお前と結芽以外…………、省吾………。まさか……」
「確定だな、そのまさかだよ。義兄さんがリークしたんだ……」
俺の言葉に、社長は目を見開いた。