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新月の闇 満月の光
第1章 貴方の暗闇
カーテンの隙間から、日の光が差し込んで、結芽は目が覚めた。
真紘の部屋で、何度も気を失った。
宣言通り、明け方まで蹂躙されて、気が付けば、自分の部屋で寝かされている。
きっと、彼が正気に返る前に、結芽を綺麗にし、衣服を整えて彼女の部屋に寝かせたのだろう。
結芽は、溜め息を付いて、物思いに耽った。
お姉ちゃんが死んでから、真紘さんは変わった。
真紘さんは、本当にお姉ちゃんを愛していたのかしら?
もし、そうだとしても、お姉ちゃんの気持ちは違っていた。
真紘さん以上に、好きな人が居て、でもお姉ちゃんには真紘さんが居て、お姉ちゃんの好きな人にも奥様とお子さんが居た……。
2人は覚悟の上だった。
真っ暗闇の崖に、車ごと崖下へと落ちた。
車は、大破して炎上。
焼け跡から2人の遺体が見つかった。
離れないよう、ネットで購入したらしい手錠を嵌めた、遺体…………。
警察は、私達にそう告げて、真紘さんだけが、お姉ちゃんの遺体と対面した。
彼は、その時の事を未だ語ろうとはしない…………。
「真紘さんっ!! お願いよ!! お願いだから、食べて、眠って!! 」
真紘さんが、壊れる。
壊れちゃう!
結芽は、壊れそうな、精神が危うくなった真紘にすがりつく。
それはもう、必死で。