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新月の闇 満月の光
第6章 御劔家と如月家 (みつるぎけときさらぎけ)
訳が解らなかった。
この男と真紘が似ていたら、何故、真紘に会えなくなるのか?
お母さんは、何を怯えているのか?
「お母さん、詳しく説明して…………」
あたしは、呟くように言った。
ぽつぽつと、言葉を選ぶようにお母さんは話出した。
掻い摘まんで話すと、こうだ。
実は母はクオーターで、曾祖母は北欧系アイスランド人(ゲルマン系ノルマン人)だった。
そして、名家の出だったらしい。
上に双子の兄が居たから、自由奔放に育った曾祖母は、曾祖父に一目惚れ。
ほぼ、駆け落ち同然で来日したらしい。
甚だお騒がせな人だ。
しかし、この人がいなければあたしも真紘も産まれて居ない。
名家と言うのが、かなり曲者。
爵位?
『そんなの関係ねー』って言いたいけれど、そうはいかないのが現実のようです。
「直系が生き残っているなら問題無いんだけどね。既に絶えてたとしたら……。そして、向こうに直系の子孫が生きていると知られたら………。解るわね」
うん、皆まで言わなくても解るわ。
それ。
どれ程の爵位か知らないけど、確実に子供を作れる真紘を狙ってくる。
少なくとも、直径の血は流れているし、真紘は、先祖返りだから。
あの子ばかり、なんで…………。
本当、神様なんていないと、つくづく思う。
「どちらにしろ、大事な息子は渡さないわ…………。ね、そう思うでしょ。如月の力とあなた達の力、総動員して護りたいの。良い? 」
私達は、顔を見合わせ、決意するように2人同時に深く頷いた。
「「勿論」」
大事な息子、弟の為に。