この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
新月の闇 満月の光
第7章 ルビーとエメラルド
「おはようございま~す! Yumeさん」
「おはよう、木坂くん。今日1日宜しくね」
マンションまで迎えに来てくれたのは、私の後輩の俳優、『相馬 孝浩』のマネージャーの『木坂 零』くんだ。
今日は真紘さんの代理で私のマネージャーをしてくれる、可愛い系の『男の子』で通りそうな好青年。
私が笑顔を見せると、何故か眩しそうに目を細める木坂くん。
「Yumeさん、何か良い事有りました?」
ヴ、何、この子ってば、鋭い。
木坂くんが、じっと私を見詰める。
何もかも見透かされそうな瞳に、私はぐらりと眩暈を覚えた。
「ねぇ、『Yume』さん。先輩って、洗練された物腰に、あのルックスじゃないですか。女性社員だけで無く、内のタレントさんにも密かに人気があって、あの人を狙ってる方々が沢山居るって事、知ってます? と、言う訳なんで、『Yume』さん、呉々も女性陣には、気をつけて下さいね。まぁ、先輩もあれでいて筋金入りの硬派なんで、今んとこ、辛辣な言葉で散々、蹴散らしまくってますけども…………ね 」
急に何を言うのかと思ったら……………これ?
私は思わず、どもりながら言葉を返す。
「そ、そうなの…………?」
って。
けど、そんなの…………
初耳だわ。
そりゃあね、モテるだろうなっ、とは、思ってたけど…………。
って、何で木坂くん、急にこんな話、しだしたのかしら?
「木坂君、急すぎて付いていけないんだけど…………。何故、そんな話に? 」
小首を傾げる私に、木坂君がにっこりと(あぁ、これってキラースマイルだわ……クラクラする) 笑った。
この子、何でマネなんかしてるんだろ?
絶対、アイドルに向いてる…………。
『社長ー! アイドルの原石発見しました』って、今度合った時、進言しようと心の中で誓った私です。