この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
新月の闇 満月の光
第7章 ルビーとエメラルド
「だってYumeさん、何か、こう、色々と吹っ切れてるみたいなんですもん。漸く御劔先輩、Yumeさんに告白したのかなって思って……。あれ? もしかして僕、ま違いました? 」
急にオロオロしだす、木坂くん。
ねぇ、真紘さん……。
私達の歪な関係、皆に知られてたみたい、ハラハラさせてた様ですよ……。
隠せてると思っていたのは、どうやら私達だけのようね……。
私は木坂くんに、曖昧な笑顔しか見せることが出来なかった。
だってそうでしょう。
私は、真紘さんから、皆に喜んで言えるような言質を、貰っていないのですもの。
2人だけの内緒の約束だけ…………。
「えっ……と、もしかして、僕の勘違いでした? 」
尚一層、慌てふためく木坂くん。
可哀想なくらい、慌てている真紘さんの後輩。
ごめんなさいね、木坂君。
本当の事は誰にも言えないけれど、私は彼に向けて、意味深な笑顔を見せた。
「Yumeさん、あの、俺、お二人には、幸せになって欲しいっす!!。そりゃね、確かにタレントとマネージャーって立場っすけどね、それでも、好き合ってるのに……何か、俺、見てられないっすよ! 」
木坂くんってば、本当に良い子だね。
他人の事が思いやれる、男なんだよね。
流石、真紘さんが育てた後輩さんだね。
私が心からの笑顔を見せると、木坂くんも笑ってみせてくれた。
よし、今日は、彼の為に頑張ろう。