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新月の闇 満月の光
第8章 夢一夜


結芽side🌸
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ふわふわとして、足元が覚束無い。


けれど意識は割としっかりしている私。


浮遊感は、打ち上げで飲まされたお酒のせい。


突然、襲い来る睡魔。


タクシーの中で眠そうにして彼に寄り掛かると、「着くまで寝てて良いぞ」と、声を掛けてくれた。


頭まで撫でてくれて、私は、御満悦。


だって、ねぇ、こんなのなかなか無いんだもん。


真紘さんを見上げて、私はうふふと笑った。


真紘さんってば、本当の姿だと三割り増しで格好いいんですもん。


驚きです。


そして、真紘さんに甘える為に眠いふりをしていたのだけど、本当に眠くなって来てしまった私は、彼にもたれ掛かったまま、本当に眠ってしまったのでした。




ゆらゆらと、身体が揺れている。


心地よい揺らぎ。


半ば眠りの中、耳に入るのは人々のざわめく声。


誰かの話し声。


そして、真紘さんの落ち着き払った声。


んんんんんん、何を話してるのか分からない。


少しの間、どこか柔らかい所に下ろされて、又、抱き上げられる。


流石に、馬鹿な私でも解る。


此処、ホテルなんだわ。

私、今、真紘さんにお姫様抱っこされてホテルの部屋まで連れられてるんだわ…………。


何だか、夢みたい。




私、このまま寝たふり決め込んでみました。


だって、まだ少し、眠い、し。


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