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新月の闇 満月の光
第8章 夢一夜
気持ちも心も、一つ残らず彼に持って行かれた。
自然とベッドから起き上がり、真ん中に座り直して、私達は互いに目を奪われた。
どちらからのアクションだったのか。
どちらとも無く、再度、自然に重なり合った唇は、お互いを食らい尽くすかのように激しくなり、私達は、キスを交わしながらお互いの体温を求めて、衣服を剥ぎ合った。
途中、ブレスを挟だ時、
「コレ邪魔っ」
って真紘さんが悪態を付いた。
私が身に着けていた下着に向かって。
そこそこ乱暴にブラのホックを外される。
でも、全然嫌じゃ無いのよ。
乱暴なのも余裕の無い証拠。
そう思えたから。
私だって、何時になく強引になってたし。
真紘さんのシャツ、今までに無い速さでボタン外して、強引なくらいのキスを止めさせて………… 。
そして私は、彼と同じセリフをインナーシャツを掴んで、毒を吐くように叫んだ。
「このシャツ、邪魔よっ! 」
ってね。
彼が言い放った言葉を、私が繰り返す。
それが可笑しくて、二人してクスッと笑い合った後、お互いの、最後の衣服を剥ぎ合った。
相変わらず、均整の取れた綺麗な身体。
筋肉が綺麗に隆起した腕で、身体で、優しく包まれると、温かさが伝わってきて、私の身体に火を灯した。
この時ばかりは、私も、歌姫『Yume』では無く、ただの『結芽』という女に戻る。
数少ない、私が私に戻れる場所の一つ。
それが、彼の腕の中。