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新月の闇 満月の光
第8章 夢一夜
お互い、座ったまま抱きしめ合っていたのを、あえて私が全体重を掛けて真紘さんを押し倒す。
ほんの一瞬、彼が目を見開いた。
だって、攻められるのは何時も私ですものね。
意外なシュチエーションに無理も無いでしょう?
私から攻めるのは、初の試み。
意外そうな顔から、彼がフッと笑みをこぼした。
「結芽ってば、何時になく積極的」
「ん、だって、真紘さんが好き過ぎてどうにか成っちゃいそうなんだもの………… 」
「へぇ…………、そんなに好きなんだ?俺が」
「そうよ。私の好きは貴方の何十倍も上を行くの」
私が胸を張ってそう言うと、真紘さんが、くっと言葉を詰まらせた。
瞬くようなライトグリーン。
瞳の瞬きが、はたと止まる頃。
貴方は…………… 。
私に、挑むような視線をぶつけた。
「なら、知らしめて見せろよ。結芽。俺が好き過ぎたらどうなるのか、お前自身が、俺に」
「望む所だわ。刻み付けてあげる。私、本気だから」
私だって………… 。
いい加減、貴方と、新たな道を歩き始めたいのだから。