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Vesica Pisces
第1章 太陽×静寂=99…
慣れっこのソティリオはベッカーの肩を叩いて後に続いた。
太陽が高くなると雪はシャーベット状に固まり始め、それを合図に全員揃って引き上げた。
その日の夕方には荷物をまとめて市街地へ向かう。
「トオル!!」
空港の出発ロビーにはオルソを始めとしたクルーの面々とブリュノが待っていた。
「じゃあ、またな」
オルソとがっちり握手を交わし、ブリュノの前で手が止まる。
涙を浮かべるブリュノに怪訝な顔で躊躇いがちに出した手をがっしり掴まれ、暫く離して貰えず溜息を吐いてみせた。
「連絡するから!フツーにメールするし!して!!」
「はいはい…」
搭乗のアナウンスが無ければブリュノは手を離さなかったに違いない。
次の目的地のスポンサーから受け取った航空チケットはファーストクラス。
離陸するとタブレットを開いた。
相変わらずの受信メールに一つずつ中を確認していく。
満面の笑みを浮かべるCAから初めての機内食を受け取ると、トレーの端に紙切れが挟まっていて数字が見えたが、そのままスルーした。
満腹になるととろとろと瞼が下がり始め、トレーと交換に毛布を貰う。
ゆったりと足を伸ばし、孤独の宵へと身を委ねた。
目を覚ましたら、また別の一日が始まる––––…
太陽が高くなると雪はシャーベット状に固まり始め、それを合図に全員揃って引き上げた。
その日の夕方には荷物をまとめて市街地へ向かう。
「トオル!!」
空港の出発ロビーにはオルソを始めとしたクルーの面々とブリュノが待っていた。
「じゃあ、またな」
オルソとがっちり握手を交わし、ブリュノの前で手が止まる。
涙を浮かべるブリュノに怪訝な顔で躊躇いがちに出した手をがっしり掴まれ、暫く離して貰えず溜息を吐いてみせた。
「連絡するから!フツーにメールするし!して!!」
「はいはい…」
搭乗のアナウンスが無ければブリュノは手を離さなかったに違いない。
次の目的地のスポンサーから受け取った航空チケットはファーストクラス。
離陸するとタブレットを開いた。
相変わらずの受信メールに一つずつ中を確認していく。
満面の笑みを浮かべるCAから初めての機内食を受け取ると、トレーの端に紙切れが挟まっていて数字が見えたが、そのままスルーした。
満腹になるととろとろと瞼が下がり始め、トレーと交換に毛布を貰う。
ゆったりと足を伸ばし、孤独の宵へと身を委ねた。
目を覚ましたら、また別の一日が始まる––––…