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Vesica Pisces
第1章 太陽×静寂=99…
たくさんの笑顔の中で、最近よく写りこむようになったその人。

いつも控えめにはにかんでいるけれど、ほぼ嘉登の隣で写っている。

新しい恋人の存在はまだ嘉登から聞いて居ないが、質すきっかけも無かった。

粗方のメールに返信を終えると席を立つ。

「トオル!!」

顔を上げるとそこにはエディとフラビアが立っていた。

ここで滑っている事はエディに聞き出したらしく、エディの笑顔は萎んでいた。

「何?」

「私を貴方の恋人にして」

「何で?」

「私の事愛してるでしょ?」

「…何でそうなる?」

「だって、私の事好きだから避妊したんでしょ?」

「後から面倒に巻き込まれるのが嫌なだけ」

良くも悪くもストレートな物言いにフラビアの表情が一瞬で険しくなる。

「私をその辺の女と一緒にしないで!!」

「その辺の女と何か違うわけ?目が合ったくらいで好きとか訳わかんないんだけど?」

憤慨したフラビアを残して、四人はゲレンデに向かった。

「何回シたら、ああなるわけ?」

「二回」

「二回?!たったの?!で、あれ?」

エディは自分の声の大きさに思わず口を押さえた。

「何で二回なの?」

「ゴムが2個しか無かったから」

それだけ言うとさっさとリフトに乗り込んでしまう。
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