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Vesica Pisces
第12章 太陽は静寂を愁う
握っている透の手が冷たい。

透の感じている不安が分からない。

「お前の仕事、彼女が先を見ないのと本当に無関係なのか?」

「とーうっ!」

思わず声を荒げてしまった。

猛の驚いた顔に頭を下げる。

『すいません、失礼します、今日は私のためにありがとうございました』

空車のタクシーが見当たらなくて、その場をひたすら離れた。

猛が見抜いたもの。

ギリギリで生きる透と、ただただ守られた日々を生きる自分。

違うの。

透の仕事は不安要素なんかじゃない。

透が羨ましい、透の生き方が、自分には出来ない事をやってる透が。

『透、私は…』

手を止める透。

「いいって」

何がいいの?

『私はずっと透といるから』

「ずっとっていつ?いつまで?」

『死ぬまで』

「…じゃあ、明日かも知れねーな」

そう言った透の表情は、笑っているような、哀しんでいるような…なんとも形容し難い顔を見せていた。

『明日も一緒にいるよ、明後日も、ずっと…ずっとだから!』

「一緒って、そんなの無理じゃん、お前仕事あるし、俺も基本外だし…って、先の事なんて…バカじゃねーの」

それでも、手を解かない透がたまらなく愛しかった。



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