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Vesica Pisces
第3章 太陽は静寂を揺する
返ってきたメールにふふっと笑う嘉登。

嘉登はそのまま何人かに声を掛けて、次々に写真を撮っていく。

伽耶はみんなに押しつけられる様に嘉登や他の男の子と密着する。

「おいっ嘉登っ!!マジうぜぇ」

パソコンの画面には不機嫌な透。

「お前もやりゃいーじゃん、金髪のオネーチャンと」

舌打ちをする透をさも可笑しそうに眺める嘉登。

伽耶は気まずそうに透をみつめる。

「さ、伽耶ちゃん、明日も仕事だし帰ろうか、送る」

“はい”

画面の中の透は眉間にしわを寄せて遠くソファーに座って居た。

「あと、大事な話もあるし」

誰に当てつけたものなのかわからないその強めのセリフ。

伽耶は荷物をもって和可菜と皆んなに頭を下げた。

外は冷たい風が吹き抜ける。

「寒いね」

“寒いですね”

「敬語、いいよ?」

“はい、あ、うん”

くしゃっと笑う嘉登の笑顔につられる様に伽耶も笑顔になる。

「クリスマスまでにおでん行かないとね」

うんうんと頷く伽耶。

「伽耶ちゃんに聞いてほしい話があるんだけど、時間まだ良いかな?」

駅前のベンチに並んで座ると、嘉登はふぅっと白い息を吐いて、意を決した様に口を開いた。
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