この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Vesica Pisces
第4章 太陽は静寂を開く
「は?なんで?」
『初めてあった時機嫌悪そうだったから、私みたいなのが場違いに居たからかなって思ったの』
嘉登に肩を抱かれて歩くのを見たからなんて、口が裂けても言えない。
「ちっげーし、お前が…喋んないからじゃん」
角に座ったのは不味かった、全部見えるんだ、逃げ場がない。
頬杖を付いて口元を隠してしまう。
『ごめん、口元見えないとわからないの』
困ったように覗き込む伽耶に、心臓がばくばくと音を立てた。
「機嫌悪かったのはただの寝不足!」
『そっか…そっか!良かった、でもその後も大体機嫌悪かったから』
嘉登とくっついてるのが気に食わなかったなんて、言えるわけがない。
「手話しないからだろーが、なんで使わねーんだよ」
複雑な表情で戸惑う伽耶。
手話をするという事は、周りに自分は耳が聞こえず喋れないという事を知らせる行為だ。
言わなければわからないのが聴覚障害。
『皆んながみんな優しく受け入れてくれるわけじゃないから、教えないままの方が良いこともあるの』
「俺は話したいし、知りたい」
ぐいっとビールを煽った。
「俺が話すときに使うのが口で、お前は手、それだけだろ?」
『初めてあった時機嫌悪そうだったから、私みたいなのが場違いに居たからかなって思ったの』
嘉登に肩を抱かれて歩くのを見たからなんて、口が裂けても言えない。
「ちっげーし、お前が…喋んないからじゃん」
角に座ったのは不味かった、全部見えるんだ、逃げ場がない。
頬杖を付いて口元を隠してしまう。
『ごめん、口元見えないとわからないの』
困ったように覗き込む伽耶に、心臓がばくばくと音を立てた。
「機嫌悪かったのはただの寝不足!」
『そっか…そっか!良かった、でもその後も大体機嫌悪かったから』
嘉登とくっついてるのが気に食わなかったなんて、言えるわけがない。
「手話しないからだろーが、なんで使わねーんだよ」
複雑な表情で戸惑う伽耶。
手話をするという事は、周りに自分は耳が聞こえず喋れないという事を知らせる行為だ。
言わなければわからないのが聴覚障害。
『皆んながみんな優しく受け入れてくれるわけじゃないから、教えないままの方が良いこともあるの』
「俺は話したいし、知りたい」
ぐいっとビールを煽った。
「俺が話すときに使うのが口で、お前は手、それだけだろ?」