この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Vesica Pisces
第7章 太陽は静寂を掴む
はぁ…と真っ白な息を吐くと、カーテンはすぐ閉じられた。
玄関のドアが開いて、コートを羽織った伽耶が駆けてくる。
『会いたいって、どういう意味ですか?』
すっぴんだし、髪の先も湿っぽい。
足元はサンダル履きだし、コートの下はいかにもパジャマだ。
女はいっぱい知ってる。
欲しがる女はどれも同じ顔だ。
考えても無駄なことがある。
本能が疼くのを抑え込める筈がない。
伽耶がスマホを見せつける。
『このメールの意味…勘違いさせないで下さい』
「勘違いって?」
『だから…会いたいっていうのは…友達にでも使うものだから…』
途端に口ごもる伽耶。
「お前はどういう意味で返したんだよ」
『ただ…会いたいって…思ったから…』
頬を、耳まで朱に染めて俯く伽耶の手は、動きが小さくても言葉になる。
「俺も」
伽耶の視線を上げて。
「ただ会いたかった、直ぐに会たくてたまらなくなって、それでいーじゃん」
『だ、だめです!だって私は透さんの事がっ…』
最後の言葉は続かなくて、頭をぐしゃっとすると一呼吸置いて、不安そうに揺れる伽耶を抱き寄せた。
腕の中で身体を硬ばらせる伽耶。
これでわかるだろ、俺だって気づいたんだから。
玄関のドアが開いて、コートを羽織った伽耶が駆けてくる。
『会いたいって、どういう意味ですか?』
すっぴんだし、髪の先も湿っぽい。
足元はサンダル履きだし、コートの下はいかにもパジャマだ。
女はいっぱい知ってる。
欲しがる女はどれも同じ顔だ。
考えても無駄なことがある。
本能が疼くのを抑え込める筈がない。
伽耶がスマホを見せつける。
『このメールの意味…勘違いさせないで下さい』
「勘違いって?」
『だから…会いたいっていうのは…友達にでも使うものだから…』
途端に口ごもる伽耶。
「お前はどういう意味で返したんだよ」
『ただ…会いたいって…思ったから…』
頬を、耳まで朱に染めて俯く伽耶の手は、動きが小さくても言葉になる。
「俺も」
伽耶の視線を上げて。
「ただ会いたかった、直ぐに会たくてたまらなくなって、それでいーじゃん」
『だ、だめです!だって私は透さんの事がっ…』
最後の言葉は続かなくて、頭をぐしゃっとすると一呼吸置いて、不安そうに揺れる伽耶を抱き寄せた。
腕の中で身体を硬ばらせる伽耶。
これでわかるだろ、俺だって気づいたんだから。