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Vesica Pisces
第7章 太陽は静寂を掴む
外野は勝手だ、飲み会に限らずどんな時にも。
スマホを覗くと相変わらず未読メールが増えていた。
「あ、逃げたー」
声を無視して個室を出た所で立ち止まる。
伽耶専用のフォルダを作ると早速メールが放り込まれた。
“お仕事お疲れ様です”
だった一言だけのメール。
会いたいとか言えないのか。
会いたいとか、会いたいとか…今すぐ会いたいとか、さ。
電話なんて意味がない。
「俺、帰るわ」
「は?今すぐ?」
「うん、嘉登、車頼むわ、代行の領収書、猛の名前で切っといて」
誰の返事も聞こえないうちに店を出て、早足で大通りに出てタクシーを捕まえた。
行き先を告げてメールを送る。
“会いたいんだけど”
散々考えて出た言葉はそんな詰まらない一言だけ。
なかなか返ってこない返事がもどかしい。
見覚えのある景色でタクシーを止めると、さっさと下りて走り出した。
ぶぶっと手の中でスマホが震える。
“私もあいたいです”
平仮名のそれが慌てて打った伽耶が見える気がした。
“さっさと下りてこい”
角を曲がって上がった息を落ち着けるように歩くと、二階のカーテンから伽耶が覗いていた。
スマホを覗くと相変わらず未読メールが増えていた。
「あ、逃げたー」
声を無視して個室を出た所で立ち止まる。
伽耶専用のフォルダを作ると早速メールが放り込まれた。
“お仕事お疲れ様です”
だった一言だけのメール。
会いたいとか言えないのか。
会いたいとか、会いたいとか…今すぐ会いたいとか、さ。
電話なんて意味がない。
「俺、帰るわ」
「は?今すぐ?」
「うん、嘉登、車頼むわ、代行の領収書、猛の名前で切っといて」
誰の返事も聞こえないうちに店を出て、早足で大通りに出てタクシーを捕まえた。
行き先を告げてメールを送る。
“会いたいんだけど”
散々考えて出た言葉はそんな詰まらない一言だけ。
なかなか返ってこない返事がもどかしい。
見覚えのある景色でタクシーを止めると、さっさと下りて走り出した。
ぶぶっと手の中でスマホが震える。
“私もあいたいです”
平仮名のそれが慌てて打った伽耶が見える気がした。
“さっさと下りてこい”
角を曲がって上がった息を落ち着けるように歩くと、二階のカーテンから伽耶が覗いていた。