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こじらせてません
第2章 馴致
彼の能動的行動は、正しくコントロールしてやる必要がある。

『もう遅いよ。明日でもよくない?』
『そうですか・・・』

……「・・・」は、いらない。やめてほしい。

『会いたかった?』
『はい』

……昼間はあれだけ遅延したくせに、即答だ。

『今からじゃ、着くのだいぶん遅くなっちゃうよ』

……間が空く。
アキラの諦めの悪さに、少し胸が痛み、その後に甘さが広がった時、メッセージ着信の能天気なメロディが鳴った。

『いまミサさんの部屋の前にいます』

……。

「はよ言わんかい!!」

声が出た。また、不意打ちか。

毅然と「だめ、帰りなさい」というのが、あるべき姿なのかもしれないが、会えないと思っていたのに会えそうで、しかもその相手はあのドアの前にいるとわかったら、モヤモヤしている場合ではなくなった。

エマージェンシーだ。
ミサは寝室へダッシュして、クローゼットを開けた。

化粧を落とさなくてよかった。
溶けていなければ、とっくに落としているところだった。

だが、一人暮らしの部屋で、一人で溶けていたので、タンクトップに下着姿だった。

取り急ぎ用意できるのは、パステルのスキニーとカーディガン。
本当はもっとイキったスタイルにしたいが、待たせるわけにはいかない。

ドア前に立たせたまま、「ちょっとまって、身だしなみ整える」とか言って、今か今かという時間を与えてしまうと、時間とハードルの高さが比例してしまう、いや、指数曲線を描くかもしれない。

若干「美しい履き方」を度外視してスキニーを脚に通すと、カーディガンを羽織ってドアを開けた。

「びっくりするよ、もう」
「……ごめんなさい」

謝っているくせに、アキラの瞳が少し見開かれた。

(ああっ!)

焦ったあまり、最終確認として鏡の前に立つ工程を飛ばしてしまった。
おうおうにして、致命的ミスは、こういったところで起こりがちだ。

胸元や袖を見る。毛羽立ってはいない。

「……ん? どしたの?」
「いえ……」

明言するのも、はばかられるほどの何かがあるのか?

とりあえず、アキラをリビングへ招き入れた。
とりあえず、何か飲むかと訊いたが、大丈夫です、と言われた。
とりあえず、ソファへ座らせる。
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