この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
こじらせてません
第2章 馴致

そんなことをしたら、いきなり勃っていたことがバレてしまうではないか。
だがそう思うにつけ、舌が乳首をいらうたびに、ゾクゾクが背中をざわめかせていく。
アキラがもうひとつへ移るころには、ゾクゾクでは済まなくなった。
ピンッと弾けると、腰もクイッと動いてしまう。
(でも……、なんか)
ミサは両手でアキラの頭を抱え、髪に指を埋めて撫でていた。
もちろん経験はないが、授乳させている気分だった。
(やっぱ、マザコン、なのかなぁ……)
許可を得て真っ先に乳首へ。完全に黒とはいえないが、グレーではある。
おそらくは、とミサは思った。
女がマザコンに嫌悪をいだくのは、優柔不断や自立していないところ、それそのものではない。
きっと、性根が母親に依存しているところにある。
マザコンに耐えかねて離婚する人も、夫が様々な決定を姑のほうへ委ねることが、我慢ができないのだろう。
母親はその人が一番最初に出会う女性であり、未熟で弱いころから守り、代わりに、決めてくれてきた人だ。歴史がある。容易に勝てる相手ではない。
あるいは、未熟で弱いころに母親を失ってしまうと、他の人が手厚い庇護を受けているのを見ては、憧憬が実際以上に母親像を理想化してしまうのだろう。観念の中の人物であるから、物質世界の人よりも、さらに手強くなる。
アキラは、後者だろう。
品のよさというものは、生得ではない。
自分にとっての祖母を省みるまでもなく、彼は父親に、そのように育てられてきた、ということだ。やはり、厳しかったものと想像される。
そういった対抗心と、不本位に強いられる闘争が、嫌悪感を生むのだ。
「ん、アキラくん、いいよ。すごく……じょうず」
あやうく、あられもなく喘ぎそうになるから、知ったようなことを言って繕った。
吸っていないほうのバストは、下からすくいあげるように優しくほぐしてきている。
であるならば、とミサは思った。
アキラの切迫が、思春期ならではの性の欲求に餓つえてのことなのか、別れてすぐの母親への代替を求めてであるのか、確かめたい。
ミサはスキニーのフロントボタンに手をかけた。
すべてを見せてしまっても、スカートの中と同じ、あるいはそれ以上の熱情をぶつけてくるのか問いたい。
この場所に、淫情を感じるのか、母性を感じるのか。
だがそう思うにつけ、舌が乳首をいらうたびに、ゾクゾクが背中をざわめかせていく。
アキラがもうひとつへ移るころには、ゾクゾクでは済まなくなった。
ピンッと弾けると、腰もクイッと動いてしまう。
(でも……、なんか)
ミサは両手でアキラの頭を抱え、髪に指を埋めて撫でていた。
もちろん経験はないが、授乳させている気分だった。
(やっぱ、マザコン、なのかなぁ……)
許可を得て真っ先に乳首へ。完全に黒とはいえないが、グレーではある。
おそらくは、とミサは思った。
女がマザコンに嫌悪をいだくのは、優柔不断や自立していないところ、それそのものではない。
きっと、性根が母親に依存しているところにある。
マザコンに耐えかねて離婚する人も、夫が様々な決定を姑のほうへ委ねることが、我慢ができないのだろう。
母親はその人が一番最初に出会う女性であり、未熟で弱いころから守り、代わりに、決めてくれてきた人だ。歴史がある。容易に勝てる相手ではない。
あるいは、未熟で弱いころに母親を失ってしまうと、他の人が手厚い庇護を受けているのを見ては、憧憬が実際以上に母親像を理想化してしまうのだろう。観念の中の人物であるから、物質世界の人よりも、さらに手強くなる。
アキラは、後者だろう。
品のよさというものは、生得ではない。
自分にとっての祖母を省みるまでもなく、彼は父親に、そのように育てられてきた、ということだ。やはり、厳しかったものと想像される。
そういった対抗心と、不本位に強いられる闘争が、嫌悪感を生むのだ。
「ん、アキラくん、いいよ。すごく……じょうず」
あやうく、あられもなく喘ぎそうになるから、知ったようなことを言って繕った。
吸っていないほうのバストは、下からすくいあげるように優しくほぐしてきている。
であるならば、とミサは思った。
アキラの切迫が、思春期ならではの性の欲求に餓つえてのことなのか、別れてすぐの母親への代替を求めてであるのか、確かめたい。
ミサはスキニーのフロントボタンに手をかけた。
すべてを見せてしまっても、スカートの中と同じ、あるいはそれ以上の熱情をぶつけてくるのか問いたい。
この場所に、淫情を感じるのか、母性を感じるのか。

