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こじらせてません
第2章 馴致
帰りの地下鉄で、ミサが乗り換えようと降りると、終点まで乗っていれば良いはずのアキラも降りた。

不審に思ったが、アキラが丸い柱の近くへ袖を引いてきたから、わかった。

「ほっぺでいい?」
「……はい」
「ウソついちゃダメ。それから……舌も、出したらダメだよ?」

やはり不世出の少年は、その高潔さがゆえに隠し事が下手だった。

丸い柱だから角がない。
したがって陰もない。

すぐそばには電車を待つ人もいたが、構わずミサはアキラの唇に、ほんのわずか、触れた。

一人暮らしの部屋ではない、地下鉄の駅で抱き寄せられ、舌をねじ込まれたら正しくコントロールしてやる必要があったが、アキラはそんなことはしなかった。その2のキスで済んだ。

次の地下鉄にアキラを乗せると、最後にぎゅっと手を握られ、

「また明日」

彼はそう言った。

その明日とは、今日である。
朝から、メタファーとして、疼いていた。

その2のキスだったはずが、中長期の視点で見れば、その3のように思えた。

電車に押し流されていくのを、小さく手を振って見送ると、消える直前の彼の表情は、本当に寂しそうだった。

今日帰れば、アキラがいる。
そう考えるだけで、鼓動が痛く打った。

打つだけならば、「いい歳こいた乙女」くらいの自己批判で済んだかもしれないが、今しがた確認すると、朝に身につけたばかりの下着がしっとりとなっていた。

昨晩からそうだ。
アキラを見送った時の哀惜と、明日くるという待ち遠しさで、動的に、ベッドに転がっていた。

シーツから、少年の残り香が匂い立っている。

ブックリーダーは必要なかった。
アルバムアプリも必要なかった。

「アキラくん……」

瞼の裏に映る彼の名を声に出して呼んで、バストの頂点と、果肉の種実を摘むと、この上ない性楽が爆ぜた。

一度では、とてもやめられなかった。

何時に寝たか憶えていない。朝、着ているのか脱いでいるのかわからない、ともかくはしたないことは間違いない姿で目覚めたのだった。

通勤電車に乗る間も、アキラのことを考えてしまい、始業してからさほど経っていないのに、ウズウズとして自席で叫んでしまいそうだから、トイレへと逃げ込んだ。
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