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こじらせてません
第2章 馴致
少年は未熟だが、直前の会話から「早く会いたい」の本当の意味を読み取ることができただろうか。

『会いたいのガマンして、がんばって働くね』

そう送って、トイレを出た。

席に戻ると、

「チーフ、……顔赤いですけど、大丈夫ですか?」
「えっ……!」

部下の一人が、うかがってきた。

「今日も体調、あんまりですか? 大丈夫ですよ、今日は私たちだけでも、ぜんぜん」
「あ、……ああ、うん」ミサは髪を耳にかけ、「……そうだね、お言葉に甘えて、そうしようかな」

そうしてください、と部下たちは快く送り出してくれた。

ちっとも会いたいのをガマンできないミサは、今日はこれっぽっちも働かずに退社した。

地下鉄へ乗り込み、メッセージ画面を開く。

『がんばってください』

さっきの返信が入っている。
いや、実は今日はもう――そう打ち込もうとして、やめた。

驚かせてやろう。
きっと喜んでくれる。

尻尾を振って飛びついてくるかもしれない。
なるべく、正しくコントロールするが、甘やかしてしまう可能性大。

街で見かける犬連れも、ペットが甘えているのやら、飼い主が甘えているのやら、どちらかわからない場合がある。そう珍しい話ではないだろう。

アキラは油断しているだろうか。
マンションへ着くや早速、クローゼットを物色し、ベッドの上でよからぬことをしているかもしれない。

まさにその時飛び込んだのならば、慌てるアキラを制止して詰問する。

本物の主人と、身につけた本物の下着が現れたのだから、クローゼットから簒奪したものは必要ないし、神威を握りしめる拳も必要ない。

(んー……)

苦笑した。
スカートの中で、下腹がキュンキュンしている。

(アキラくんの……、せいだな)

言いがかっても、キュンキュンが吹き飛ぶわけではない。
吹き飛ばすつもりもない。

前は洗面台の二人の会話に阻まれたが、今日は最後までしてしまった。

ハンカチとリップグロスを携えていたのだから、逃げ込むにしても準備万端だった。

会社なのに、なんとも豪胆なことをしでかしたために、気が大きくなっていた。
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