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こじらせてません
第3章 幽閉
わけがわからないが、とにかく間違っていることは確かなので、解決がしたい。
その一言だった。

だが、それはあくまでもミサの言い分であって、ミソラが一義的に解決の責務を負うているわけではなかった。

ただし、その責務がない人が、自分の寝室に居座って、横柄な態度を取り続けている真っ当な理由も、見当たらないのだった。

ミサはこれまで、人を罵倒したことがなかった。

銀座で一度、罵倒しかけたが、未遂に終わった。

今、そのとき以来の、罵倒の衝動が起こった。
そして、その相手もまた、ミソラであった。

こうも連続すると、自分にとっての初罵倒相手は、ミソラである運命なのかと思えてくるが、運命などというものに委ねて人を罵倒するべきではなかった。

だから、罵倒する根拠は、ミソラがあるじの無許可で部屋に侵入し、退出することなく話し続けていることであり、決して話している「内容」についてではないはずだった。

しかし、ミサの心の大半を占めていたのは、この姉が、弟を性の目覚めへと導き、以後も神威をほしいままにしていたことに対する不快感だった。

ミサを恋人にする前の話であり、恋人となった折には自主的にこれを退けたというのだから、その点は評価できる。

だがそれでも、一回り年下の彼氏と同じ歳の姉という、個別具体的な人物対する、不条理な敗北感を拭うことができなかった。

不条理な敗北感に基づいて罵倒することは、大義がなさそうだった。それでもなお罵倒したら、こちらが惨めな気持ちになると予感された。

なのでミサは罵倒をやめた。
ただ唯一、収穫があったとすれば、ミソラが上半身下着のみである件について、理由が判明したことだった。

「……ミソラちゃん。とりあえず、服着たら? カゼひいちゃうよ」

そうすすめると、

「べつに寒くないから大丈夫」

と、こともなげに言った。
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