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こじらせてません
第3章 幽閉
まえまえから、アキラの親に対面したときには、自分の年齢がいくつかを伝えておくべきだと考えていた。

だが――もう面倒なので省略したい、相手がブライチの状況で、しかも「まあ、あなた、おいくつ?」とでも訊いてくれればよいものを、単に外見を褒められただけだったので、いきなり言うのは憚られた。

「だからー、トモミちゃんなんか、私やアキラのお継母さんなんかじゃない!」
「まぁ……」

ミソラがもう一度、同じ旨を繰り返すと、トモミが悲しそうな顔をした。

「ダメだよ、ミソラちゃん。お母さんにそんなこと言ったら」

別に彼氏のお母さんへ、点数稼ぎをしたいわけではない。

出産経験も子育て経験もないミサだったが、親が、我が子に「あなたは親ではない」と言われることが、いかに残酷なことかは想像できた。

あのハゲのことを思い出すまでもなく、親にいかなる背徳があったとしても、あいだに生まれてくる子供には何の罪もない。

子供は、親を選択できないのである。
だからこそ親は子供に対して、最大の責務と責任を負うのであり、果たすに適当な権限も与えられているのだ。
祖母は、そう教えた。

残念なことに、子供からすれば、この責務と責任のほどは容易には見えず、権限の行使だけが目立ち、両者の乖離が大きくなった結果として「横暴」に見えてしまう。
よく言われることであったし、祖母もこれを危惧したのだろう。

「あなたは親ではない」という発言は、子供の側は無罪であるがゆえに気軽に言うのかもしれないが、親にとってみれば存在意義の否定に等しい。
子供には、不十分さを訴える権利はあっても、否定する権利はないのだ。

ミサは不孝については、身のすみずみまで祖母の教えがしみていたから、

「ミソラちゃん。とりあえず、お母さんに謝ろうよ」

と、声音を低くして諭した。

「やだ。トモミちゃんなんかが、お継母さんなんて、絶対認めない」
「でも、お母さんはミソラちゃんが、この歳になるまで育ててくれた人だよ? そんな人を、悪く言っちゃダメだよ」
「トモミちゃんなんかに、育てられてないし。頼んでもないよ」
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